外壁塗装の耐用年数は、塗装工事が完了してから劣化が発生するまでに、塗料の機能が高く保たれる期間で、およそ3~15年です。塗料の種類や環境によって耐用年数は変わってきます。
外壁塗装には、家を雨や日差しから守る役割があります。しかし、耐用年数を超えると、塗料が劣化し、本来の性能は失われます。
外壁塗装を検討されている方の中には、「外壁塗装でどのくらい持つのだろう」「塗料によって耐用年数がどのくらい違うのか知っておきたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、外壁塗装に使用されている塗料の耐用年数についてご紹介します。
外壁塗装には耐用年数があるのは、湿気や酸素、日光の影響で、塗装表面が変質していき、塗装の寿命が縮まっていくからです。耐用年数が過ぎると、外壁塗装の保護効果が低下し、塗膜の磨耗や劣化、色褪せや剥がれ、腐食が目立ってきます。
外壁塗装に使用される塗料には、いくつかの種類があり、耐用年数も違います。
アクリル塗料は塗料にアクリル樹脂を混ぜた塗料で、比較的リーズナブルな塗料です。はっきりとした色合いとツヤが特徴であり、昔から多くの方に使用されています。ただし、他の塗料に比べて劣化が早く剥がれやすい塗料でもあるので耐用年数は短いです。そのため、短期間で何回も塗り替えをしたいという方にはおすすめの塗料です。
ウレタン塗料はウレタン系樹脂を主成分とした塗料であり、光沢のある仕上がりになるのが特徴です。しかし、塗料の平均耐用年数が10年であるのに対しウレタンは6〜8年です。そのため、平均よりは少し短いと言えます。
シリコン塗料は主成分がシリコン系樹脂でできた塗料です。価格と機能のバランスが良く、住宅の塗装に最も普及している塗料がシリコンです。比較的耐久性に優れています。
一般的に使用される塗料において最も高価で耐久性に優れているのがフッ素塗料です。家を長期的に保護したい場合に良く使用される塗料です。耐候性や耐熱性にも優れています。
ラジカル塗料は、2015年に発売された新しい塗料であり、劣化しにくいのが特徴です。フッ素より安価で、シリコンより耐用年数が長いということで最近よく使用されています。
外壁塗装の耐用年数を延ばすためには、塗装前に塗装面を整え、塗料がしっかりと密着するようにします。古い塗料を高圧洗浄で洗い落とし、金属部分は、ヤスリで細かい凹凸をつける、ケレンという作業をします。表面処理を行うことで、塗装剤などが正しく付着するようになります。
外壁を雨や湿気から守るために、防水処理を施すことが重要です。壁面を乾かし、ひび割れや隙間を埋める補修をしてから、防水性能の高い塗料で塗装していきます。
ひび割れずに伸縮性のある塗料のほうが防水性は高くなります。隙間ができにくいため、浸水を防げるためです。また、本来の防水性能を発揮させるためには、塗膜が最適な厚みになるように塗装します。
このようにすることで、壁材に水分が浸透するのを防ぎ、壁の劣化や躯体内のカビの発生を抑えることができます。
三度塗りも、外壁塗装の耐用年数を延ばすために重要です。
ペンキなどの塗料は一度塗れば色がつくので一見十分なように思われるかもしれませんが、外壁塗装においては、下塗り、中塗り、上塗りの三度塗りが基本となっています。
塗料メーカーは三度塗りすることを想定して塗料の耐用年数などを設定しています。そのため三度塗りをしないと塗料本来の耐久性がきちんと発揮されません。
すぐに塗装がはがれてしまう危険があるので、二度塗りで終わってしまうのは厳禁です。
しかしながら、一度塗るごとに完全に乾燥させなければいけないので、三度塗りをするにはとても時間がかかります。
定期的な外壁塗装のメンテナンスは、耐用年数を延ばす上で重要です。塗装工事が終わったあと、メンテナンスをしてくれる塗装業者かどうか、事前に確認しておきましょう。
定期的なメンテナンスをしていれば、不具合が起こっても、問題が大きくなる前に対処することができます。
外壁塗装の耐用年数を左右するのは、塗料選びも重要ですが、塗装作業で変わってくる部分も大きいと言えます。
外壁塗装の塗り替え業者を選ぶときには、腕が確かで真面目な塗装職人がいる塗装店かどうか、しっかり確認するようにしましょう。
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